心の距離を縮めたいとき
単純接触の効果を利用する
職場やサークルなどで、同じグループで行動していた男女が、いつのまにか惹かれあっていたということはよくあることです。
人間には、よく目にするとか耳にするなど、たんに頻繁に接触するだけで、その人物への好意的な感情がわいてくるという傾向があるのです。
このことを「単純接触の効果」といいます。 恋愛において、この「単純接触の効果」を利用しない手はありません。
思いを寄せる相手に対して、いろいろ口実をつくってなるべく多く接触するように努めるのです。
接触の回数さえ多くなれば、こちらのよい印象が相手の潜在意識のなかに知らず知らずのうちに刷り込まれていきます。
距離のとり方が親密度を増す
どれだけ相手と親密か、どのくらい相手に好意を抱いているかによって、相手との距離のとり方は自然と異なってくるものです。
アメリカの人類学者エドワード・ホールは対人間の距離を、密接距離、固体距離、社会距離、公衆距離の4つに分類しています。
- 密接距離(0~45cm)
- 固体距離(45~120cm)
- 社会距離(1.2~3.6m)
- 公衆距離(3.6~7.5m)
そして、この「親密な二人は密接距離をとる」という心理を逆用することで、二人の親密度をもっと深くすることができます。
並んで歩くときや、向かいあって立ち話をするときに、肩や腕が触れあうような距離をとるのです。
意図的に密接距離をとることで、非常に親密であるかのような錯覚を起こさせる効果があります。
また、喫茶店などで席をとる場合、テーブルをはさんで向かいあって座るよりは、テーブルの角をはさんで直角に座ったほうが親密度がいくぶん増します。
向かいあって座った場合は、常に視線がぶつかり合ってぎこちなくなりがちです。 直角に座った場合は、互いに相手の視線から逃れることができるので非常にリラックスします。
さらに、横に並んで座った場合は、同じ景色を見ているという意識から一体感も生まれます。
言葉づかいが親密度を増す
二人がどのくらい親密な関係にあるかによって、交わされる言葉づかいも変わってきます。 いいかえれば、どんな言葉で対話しているかによって、二人の親密度を測定することも可能となるわけです。
この原理を逆手にとれば、言葉づかいに留意することで、二人の心の距離をよりいっそう縮めることもできるはずです。
言葉づかいにあらわれる親密度を推し量るための指標に、「近接度」というものがあります。
近接度の高い言葉づかいは好感や親密さを示唆し、近接度の低い言葉づかいは嫌悪を示唆しています。
近接度は、「共同意識」「直接性」「能動性」の3つから判断されます。
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共同意識
「あなたと私は」より「私たち」のほうが近接度が高い。 -
直接性
「好き」より「あなたが好き」のほうが近接度が高い。
また、「あなた」のように代名詞を使うより、「○○さん」と名指しで呼ぶほうが近接度が高い。
さらに、名字で呼ぶより名前で呼んだほうが、よりいっそう近接度が高くなる。 -
能動性
「一緒に行かない?」より「一緒に行こうよ?」のほうが近接度が高い。