スリルを味わうと好きになる心理

人は何らかの原因によって生理的に興奮しているときに出会った人を好きになることがあります。

ダットン・アロンという人がおもしろい実験を行いました。 男性を2グループに分け、片方のグループの男性には非常に不安定なつり橋を渡らせます。

もう一方のグループの男性には、どっしりと安定したコンクリートの橋を渡らせます。 そして、それぞれの男性に対して、女性がすれ違いざまに話しかけ、その反応を調べるというものです。

この実験から、安定した橋の上で話しかけられた男性よりも、不安定なつり橋の上で話しかけられた男性のほうが、相手の女性に対して、より好意的な関心を示すということがわかりました。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

人間には自分の生理的状態から自分の感情を推測する習性があります。 不安定なつり橋を渡っていた男性は、スリルのため胸がドキドキし、生理的な興奮状態にあったと考えられます。

そんな状態のとき、見知らぬ女性から突然話しかけてこられた男性は、胸のドキドキという「生理的興奮」は、目の前にいる女性の魅力によって引き起こされた恋愛感情であると勘違いしてしまうのです。

スリルを味わうと好きになる心理

なにも、つり橋に限らず、ジェット・コースターに乗ったり、お化け屋敷に入ったりしてスリルを味わったりしているときなどに、その生理的興奮をそのとき目の前にいる人の魅力と思い込んでしまうことは十分にあります。

また、アルコールも同じような効果を持ちます。お酒の席で、たまたま居あわせた異性に魅力を感じてしまうことはよくあることです。

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